マツダ関係者以外の方の閲覧はご遠慮ください!

【見たままのマツダ】 関東マツダ営業事例・CX-5商品レビュー・その他

お客様相談センター/コールセンターK氏は顧客の声を受け止めることに消極的でした。止むを得ず、Webサイトを利用して、マツダクオリティに取り組む全てのマツダの人に直接メッセージを届けることにしたものです。内容は適宜更新されます。レビューを含め全ての記事に目を通すことをお奨めします。/2016.01/

++

マツダCX-5大成功は諸刃の剣(もろはのつるぎ)。経営陣は成功を次の飛躍の基盤にできただろうか。継続レビューで見えて来るのは不安の未来かも知れない。/2017.01/

++

交換した2016年モデルは絶好調だがマツコネ問題だけはクリアできない。今年こそはマツダコネクトアップグレードオプションに期待したい。/2018.01/

++

マツダに燃費不正問題は存在するか?


マツダに燃費不正問題は存在するか?

最近の自動車の燃費問題に関連してジャーナリストの池田直渡氏のレポートが一般ユーザー啓蒙のために公開されていた。是非オリジナルサイト「週刊モータージャーナル」を閲覧して燃費問題の複雑さを理解しておきたい。実際に読んでみると領域の広さに比べて紙面が少ないので消化不良は否めない。もう少し、斬り込んで欲しかった。


マツダにおける燃費不正は今のところはOEM調達による車種に限られているようだが、品質ポリシーに弛みが出ればいつどこで不正問題を抱え込むか分からない。本サイトのCX-5レビューでも分かるようにマツダの品質ポリシーや内部統制には疑問点も少なくない。これらはいつ燃費問題として顔を出すことになるか油断できないものだ。

縦割り業務に安住することなくワンマツダの意識を持ってどの部署であれどの問題であれ改善に向けたトリガーを発することが出来なければいけない。

/


 -

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news046.html

池田直渡「週刊モータージャーナル」:

燃費のウソとホントと詳細 (1/5)

この数週間、自動車メーカーの燃費不正問題に話題が集中しているが、その議論に関して混乱が見られるのではと感じている。なぜカタログ燃費と実燃費が乖離しがちなのか、この点も整理したい。

 ここしばらく、自動車業界の話題と言えば、メーカーの燃費不正問題に集中している。発覚した事件の追及としかるべき懲罰を与えるのは司直の仕事なのでここでは書かない。

 一方で、燃費の話題に議論の混乱が見られる。それについて正しく説明するのはメディアの仕事なので、今回はまずその議論の整理をしたい。後半ではカタログ燃費と実燃費がどうして乖離(かいり)しがちになるのか、具体的な技術を背景に説明しようと思う。
燃料不正問題が発覚した三菱自動車の「eK ワゴン」
燃料不正問題が発覚した三菱自動車の「eK ワゴン」
カタログ燃費は大嘘か?

 「カタログ燃費なんて大嘘だ。実走燃費を基にした数値に改めるべきだ」という気持ちは分からないでもないが、いつ(外気温の影響は大きい)、どんな場所で(路面の勾配や転がり抵抗、風の影響は大きい)、どんな運転(加減速度の影響は極めて大きい)をするかによって燃費は大きく変わる。

 握力でも20メートルシャトルランでも長座屈でも良いが、文科省のWebサイトに行けば、年度別・年齢別の統計値が出ている。あなたがそのデータに劣ったとして「こんな統計データはインチキだ」と言うだろうか? クルマの燃費は統計ではないが、個人の運動能力と同じくらい運転環境による差が大きい。だから誰がどんな条件で乗っても近似する燃費の測定方法はあり得ない。つまり多くの人にとって納得のいくたった1つの「実走燃費」という指標があると考えること自体が幻想だ。

 一応、国交省の定める測定モードも「実燃費に近い走り方」を模索してそれなりに進化してきた。古くは「60km/h定地燃費」という平坦路をひたすら時速60キロで走った数値がカタログ燃費に採用されていたが、それが10モードに、そして10.15モードに、さらにJC08モードにと、徐々により現実に近い形の運転パターンに改められてきてはいる。国交省もメーカーも絵空事で構わないと思っているわけではないのだ。

 ただ、役所の規程なので、モードの中に速度違反領域はいっさい含まれない。現実を見れば、空いた首都高速道路で時速50キロの指定速度を守っているクルマはいないに等しい。法令違反を督励する気はないが、それがリアルワールドの現実なのだ。どうしたって条件が違う。条件が違えば運転状況によって良くなるケースも悪くなるケースもあるのだ。

 既にネットでは、大喜利のようなことが始まっていて、「カタログ燃費はおかしいと思ってた。俺のクルマはむしろ実燃費の方が良い」という無数の書き込みを見ることができる。もちろん、これは面白がってレアケースを書き立てている部分もある。燃費がアップするケースとダウンするケースどちらが多数派かと言えば、多くのケースでは発表値よりダウンする。ただ重要なのは、カタログ燃費より実燃費が良くなる実例も少なくはないということだ。要するに実燃費というのはそれだけ幅が広い。

 ということで、ばらつきの多い実走行とカタログ燃費は原理的に一致させようがない。燃費不正の問題は、全てのクルマの比較条件を揃えるために国交省が定めた測定ルールを破ったという点に集約される。法令順守という観点から見て明らかに問題がある。しかし、それをリアルな燃費と結び付けて糾弾するのはさすがに見当違いなのだ。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news046_2.html

池田直渡「週刊モータージャーナル」:

燃費のウソとホントと詳細 (2/5)

実燃費はなぜ発表値と異なるのか? 走行抵抗編

 さて、ではなぜ実走燃費が発表値と異なるのだろうか? 以下では近年のエコ技術を背景にその差がどうして起きるのかを解説してみたい。こちらが今回の本題である。

 燃費を良くしようと思えば、まず同じ量の燃料からより効率良く力を取り出すことだ。当然ながらそれを効率良く利用するためにエネルギーを減衰させないことが重要になる。

 まずは簡単なほう、つまりエネルギー減衰の話から始めよう。一番大きいのは空気抵抗だ。これは速度の2乗に比例する。速度が上がるほど燃費が加速度的に悪影響を受ける。速度はあくまでも変数だから、クルマ固有の性能、つまり定数になるのは前面投影面積と空気抵抗値の積だ。前から見て面積が大きいと抵抗が大きい。クルマの幅を狭く、かつ背を低くすれば技術的には簡単には下がるが、そうすると居住空間が狭くなるので商品力の面で簡単にはできない。
エンジンの冷却の必要度によってラジエター内に設けられたシャッターを閉じて空力性能を向上させる。実はエンジンの熱損失の低減の役割も果たしている
エンジンの冷却の必要度によってラジエター内に設けられたシャッターを閉じて空力性能を向上させる。実はエンジンの熱損失の低減の役割も果たしている

 商品力を落とさないためには、前面投影面積はそこそこにして空気抵抗値を小さくする。空気抵抗値は「物体の形状が決める気流をかき乱す割合」を意味する。いわゆる「CD値」だ。最悪な形状は板状のもので、CD値の極大値となる1だ。最近のクルマはボディの段差の軽減や側面視形状に工夫を凝らし、0.3より低いのが当然。現在の最先端のプリウスは0.24を達成した。そのためにラジエターの導風口にシャッターを設けて、冷却が必要ないときは入り口を閉じてCD値を減らすといった工夫まで行われている。

 余談だが、F-1は異常なほどのハイパワーを路面に伝える必要から、空気の力を利用して車体を路面に押し付けたいので、むしろどうやって空気を捕まえるかの技術開発が行われている。その結果CD値はほぼ1。つまり板と同じで極大だ。

 CD値だけでなく、前面投影面積を減らすための努力は実用車でも行われている。例えば、プリウスの屋根を観察してみてほしい。運転席と助手席の間には凹みが作られていて、数平方センチメートルであっても前面投影面積を減らす努力が払われているのだ。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news046_3.html

池田直渡「週刊モータージャーナル」:

燃費のウソとホントと詳細 (3/5)

 エネルギー減衰の話題に関して、空力以外では転がり抵抗がある。回転部分の軸受けは耐荷重を大きく取ると、どうしてもサイズが大きくなり転がり抵抗が増える。だから余剰をとことんまで削減して部品を小さくする。これは支持剛性とトレードオフなので、振動を抑えきれず低周波の音源になったり、タイヤの保持剛性が落ちたりして、乗り心地やハンドリングにネガティブな影響を与える。そのせめぎ合いのところでどうやって抵抗を減らすかの努力が行われている。
ハブはサスペンションとホイールをつなぐクルマの要。画像でアルミ色に見える部分だ。この軸受けは剛性と転がり抵抗のせめぎ合いが一番色濃く出る場所
ハブはサスペンションとホイールをつなぐクルマの要。画像でアルミ色に見える部分だ。この軸受けは剛性と転がり抵抗のせめぎ合いが一番色濃く出る場所

 面白いのはブレーキだ。近年の自動車に採用されているディスクブレーキは、ブレーキペダルに取り付けられたピストンがタンクの油を押し出し、その油圧が管を経由してブレーキキャリパーに仕込まれたピストンを押し出し、ピストンに押されたブレーキパッドがブレーキローターを挟み込むという仕組みだ。ペダルがリリースされて油圧が解放されたとき、ゴムでできたキャリパーシールのよじれがキャリパーピストンを元の位置に戻す。しかしその戻り量はわずかで、ブレーキパッドはローターと常にわずかながら摩擦し続けている。
ブレーキはローターと呼ばれる円盤をパッドと呼ばれる摩擦材が挟み付けることによって運動エネルギーを熱エネルギーに変換して捨てるエネルギー変換器である。不要なときの摩擦をゼロにすると当然燃費は向上する
ブレーキはローターと呼ばれる円盤をパッドと呼ばれる摩擦材が挟み付けることによって運動エネルギーを熱エネルギーに変換して捨てるエネルギー変換器である。不要なときの摩擦をゼロにすると当然燃費は向上する

 こうしたブレーキの引きずりは、当然、燃費に悪影響を及ぼす。パッドを何らかの仕掛けで強制的に押し戻してやればブレーキの引きずりが減って燃費が良くなるはずである。ただし、クリアランスが大きくなると、ブレーキペダルを踏んでから、実際に効くまでのペダルストロークが増え、その結果ブレーキの効き始めが遅くなる。

 引きずりをなくしつつブレーキ操作に不具合を出さないためには、クリアランスをミクロン単位で調整して緻密にコントロールする必要がある。さらにはドライバーがブレーキペダルに力を掛けた瞬間に、ブレーキパッドのクリアランス分をあらかじめ押し出す仕組みなども採用されている。
円盤に取り付けられた赤い部分がキャリパー。この中に油圧で作動するピストンが収められており、ブレーキパッドをローターに押し付ける役割を果たす
円盤に取り付けられた赤い部分がキャリパー。この中に油圧で作動するピストンが収められており、ブレーキパッドをローターに押し付ける役割を果たす

 パワステを中心に、エアコン、冷却水などのポンプ類の無駄の軽減も積極的に行われている。かつてのクルマでは、こうした補機はエンジンが掛かっている間中回しっぱなしだった。最近では必要とする状況かどうかを見極めて無駄なエネルギー消費を極力抑える仕組みが次々と採用されている。そのために制御のし易い電動化が行われている。そのくらいやらないと達成できない水準で現在の燃費競争は行われているのだ。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news046_4.html

池田直渡「週刊モータージャーナル」:

燃費のウソとホントと詳細 (4/5)

実燃費はなぜ発表値と異なるのか? エンジン編

 動力源の効率改善の話はやはりエンジンが主役だ。クルマという機械は、状況によって求められる能力が大きく変わる。例えば、7人乗りのミニバンであれば、一人乗りとフル乗車プラス人数分の荷物では重量が400キロ以上も異なる。平地をのんびり巡航しているときと、渋滞した観光地の山道をローギヤでゴー&ストップを繰り返すときではエンジンの稼働率がまるで違う。出力を必要とする場面では大きな出力が必要だが、いらないときにはそんな出力を生み出す仕掛け自体が邪魔になる。
ブレーキの主役はこのブレーキパッド。本来クリアランスはあまりなく、ローターのブレによって1回転の内ある程度の角度では常にローターと擦れて引きずっている
ブレーキの主役はこのブレーキパッド。本来クリアランスはあまりなく、ローターのブレによって1回転の内ある程度の角度では常にローターと擦れて引きずっている

 要するに、低負荷で巡航するようなときは、大きなエンジンがいらない。最も大胆なのは可変気筒だ。力がいるときは4気筒。力がいらないときは2気筒に切り替える。エンジンの物理的排気量も半分になる。

 有効吸気量を減らす方法もある。昔のエンジンは空気の吸入量をスロットルバルブで調整してから、キャブレターやインジェクションを使って、ガソリンと空気を化学的な理想重量比である14.7:1になるように混ぜていた。スロットルバルブの主目的はエンジンの出力を調整することにある。実は、従来は必要悪としてあきらめてきたロスがここにあるのだ。スロットルバルブを絞ると口をすぼめて息を吸うのと同じで、全開時以外は常に大きな吸気抵抗が発生している。これをポンピングロスと呼ぶ。

 この抵抗をなくすため、スロットルバルブを常時全開にしてしまい、出力の調整はガソリンの供給量で行う。後で詳述するが、ガソリンの噴射量を変えながら空気を常時最大効率で吸い込むと比率が狂って不具合がある。だったら燃料に見合う分の空気を吸わせて、残りは酸素を含まない排ガスで増量してやればいいことに気が付いた。これをEGR(排気ガス再循環)と言う。燃焼に影響を与えるのは空気だけだから排気ガスは燃焼に関係ない。つまりエンジン出力の調整をスロットルバルブではなく、空気と排気ガスの混合比を変えることで実現するのだ。
排気ガスを再循環させるため、排気管から吸気管へ管がつながっている。このエンジンでは左手前に見えるたすき掛けの部品がそれだ。途中に冷却用のラジエターを付けて吸気温度の低下を図っている
排気ガスを再循環させるため、排気管から吸気管へ管がつながっている。このエンジンでは左手前に見えるたすき掛けの部品がそれだ。途中に冷却用のラジエターを付けて吸気温度の低下を図っている

 なぜ排気ガスを混ぜるかと言えば、燃料に対して空気中の酸素が余ると、燃焼時の熱で空気中の酸素と窒素が化合して窒素酸化物(NOx)が発生するからだ。それでは排ガステストを通らない。酸素を含まない排気ガスを増量する分にはNOxの発生は起こらないので一件落着なのだ。ただし、EGRは排気を構わず吸気に混ぜると吸気温度が上がってしまう。すると吸気が熱膨張して吸気効率が落ちるし、ノッキングが起きやすくなって点火タイミングを遅らせることになり、効率が追求できない。だから排気ガスを一旦冷却してから吸気と混合するのだ。

 こうすると出力をコントロールしつつ、入り口を開放できるのでポンピングロスがなくなるのだ。吸気抵抗は全開以外の全ての領域でロスになっているので、改善幅としてはとても大きい。もちろん、エンジンをフル稼働させるときにはこの機構は全部オフになって、最大吸気量の空気を使って燃焼させるのだ。

 節電の話をするときによく出てくる待機電力の話を思い出してほしい。近年のクルマはいらないときにはコンセントを抜くように、さまざまな機構をストップさせているのだ。誰にでも分かり易い例を挙げれば、アイドリングストップのようなものだ。これまで述べたように、走行中にも同様の仕組みが多く作動している。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news046_5.html

池田直渡「週刊モータージャーナル」:

燃費のウソとホントと詳細 (5/5)
     
可変制御の恩恵と落とし穴

 だから、そういう可変制御が効率良く使える状態で運転すれば発表値を超える燃費を出すことが可能だし、可変機構が効かない領域ばかりを使っていれば、燃費はどこまででも悪化する。つまり燃費が運転の仕方に依存する度合いがどんどん高まっている。だから人によって燃費の差が出やすくなっているのだ。

 一方で、こうやって盛り込んだエコデバイスがJC08モードでできる限り効果を発揮するようにメーカーは知恵を絞っている。オンオフの制御をできる限りテストの条件に合わせ込んでいると言っても良い。うがった言い方をすればお受験対策だ。そういうテスト対策によって、実際の走行時にエコデバイスがかえって効果を発揮しにくくなったり、ドライバビリティにマイナスの影響を与えたりしていることは否めない。

 さまざまな意味で、クルマのドライバビリティにカタログ燃費が影を落としている現状はあまり理想的だとは言えない。まずは消費者がカタログ燃費のことを良く理解することが必要だ。役所もメーカーも、ごまかしの意図があってやっているとは思わないが、あれは頑張って作り出した1つの実走行シミュレーションであって、カタログに書かれている燃費のコンマ1ケタの差など、現実世界では誤差に過ぎない。参考にするなとは言わないが、絶対的な数値だと思ってはいけない。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

/

人気の投稿:月間

人気の投稿:年間

AI Vision Master AI自動車革命の未来を担う1銘柄

人気の投稿

AI Vision Master AI自動車革命の未来を担う1銘柄