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【見たままのマツダ】 関東マツダ営業事例・CX-5商品レビュー・その他

お客様相談センター/コールセンターK氏は顧客の声を受け止めることに消極的でした。止むを得ず、Webサイトを利用して、マツダクオリティに取り組む全てのマツダの人に直接メッセージを届けることにしたものです。内容は適宜更新されます。レビューを含め全ての記事に目を通すことをお奨めします。/2016.01/

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マツダCX-5大成功は諸刃の剣(もろはのつるぎ)。経営陣は成功を次の飛躍の基盤にできただろうか。継続レビューで見えて来るのは不安の未来かも知れない。/2017.01/

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交換した2016年モデルは絶好調だがマツコネ問題だけはクリアできない。今年こそはマツダコネクトアップグレードオプションに期待したい。/2018.01/

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人見光夫がマツダに残したもの・残さなかったもの・残せなかったもの

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人見光夫がマツダに残したもの・残さなかったもの・残せなかったもの
  1. マツダの業績回復に貢献した「人見光夫」氏の業績を振り返るには格好の記事が配信されてきた。是非オリジナルサイトで目を通して欲しい。マツダ内部(現場?)での評価も共感の高いものだったに違いない。人見氏のライフラインとマツダの業績に連動の跡がうかがえるのが面白い。
  2. しかし技術というものは残酷だ。完成がない。終わりがない。達成感は自分で線引きするポイントで妥協するしかない。次々と突きつけられる山積みの課題は次の時代に託すしかない。だから技術は面白いのだろう。
  3. ユーザー視点ではと言うかマツダファンとしては時代に即した魅力的な車を提供してくれたことに感謝したい。技術と商品のギャップを改めて認識させられたが技術がなければ拘りの技術者がいなければ何も始まらなかったのは間違いない。
  4. 業績というと①残したものに目が行く。しかし改革革新によって取り払ったであろう類の②残さなかったもの、環境が整わないなどの理由で十分取り組めず結局③残せなかったものについてはあまり語られない。課題の形で残るものもあるがギブアップしてお蔵入りもある。今回の記事はそのような裏側の話にも言及しているので共感がもてる。
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2018/03/07
インタビュー
「ずっとむなしい、なにもなく終わる・・・」 マツダの天才エンジン技術者、大逆転の軌跡(前編)
人見 光夫氏(マツダ常務執行役員・シニア技術開発フェロー)
清水 直茂=日経 xTECH/日経Automotive
日経 xTECH

この記事は日経 xTECH有料会員限定ですが、2018年3月10日5時まではどなたでもご覧いただけます。

 日本の自動車技術者で、最も有名な一人が人見光夫だ。エンジン一筋38年。マツダ躍進の中核を担う、「スカイアクティブ(SKYACTIV)」エンジンの開発を率いてきた。世界シェアが2%に満たない“小兵”のマツダが、世界のエンジン開発競争で先頭を走る――。10年前、誰が想像しただろう。

 人見がマツダに入社したのが1979年。スカイアクティブの実用化が2011年だ。57歳になっていた。会社人生の最終コーナーで、華々しい成果を生み出した。天才技術者とも称される。だが入社して長い間、ふてくされていた。

 モチベーションなんて、なかったですよ。ずっとむなしいだけ。金くれるんだからまあいいわ、くらいに思って働いてました。


ひとみ・みつお。1954年生まれ。岡山県出身。1979年東大院修了後、東洋工業(現マツダ)に入社。一貫してエンジン開発に携わり、2000年パワートレイン先行開発部長。2011年執行役員、2014年常務執行役員。2017年から現職。(写真:加藤 康)

 流川(ながれかわ、広島市の繁華街)で飲んでは酔っぱらって、「あんな訳も分かっていないクソおやじにバカにされんといかんのか」と、ぶちまけてました。技術を知らないやつに、何度も拒否されるわけです。辞めようと何度も思いました。おかげで大酒飲みですわ。

 まあ、前から好きだったのもありますが。

 人見が最初に配属されたのが、エンジン先行開発課である。自動車メーカーの主力である商品開発部門に、新しい技術を提案する。入社して8年後に技術研究所が立ち上がり、人見は部署ごと移る。会社人生の大半を先行開発部門と技術研究所で過ごした。

 マツダに入社したのには、大した理由はありません。実家(岡山県)に近い広島県の自動車メーカーだったので。航空工学出身で、大学卒業後に自動車メーカーに入る同期が多かったんですよ。それでなんとなく。

 宇宙に興味はなくて、飛行機を眺めるのが好きでした。入社してみると配属希望を聞くというので、心臓部のエンジンでもやるかという軽い感じで選びました。

 研究所にいましたが、当時は規模も設備も小さく、研究所と言うには恥ずかしいもんでしたよ。それでも最初の頃は新しいアイデアを一生懸命に考えていました。

スカイアクティブは、80年代の仕事

 熱心に試していたのが、吸排気系の可変制御でした。エンジン筒内に入れる空気量を制御したときの性能変化を調べるんです。

 その頃、燃料と空気を混ぜて筒内に入れる仕組みが、機械式のキャブレターから電子制御式インジェクターに移り変わる時期でした。燃料と空気を自由に制御できるようになった。吸気弁を長く開けたり閉じたりするとトルクがこんなに変わるぞ、といったことを研究していました。排気系もいじって。

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 スカイアクティブが革新的とされるのは、世界最高の圧縮比である14を実現したからだ(関連記事1、2、3、4)。圧縮比を高めるほど、熱効率を上げられる。ただノッキング(異常燃焼)しやすくなり、上げるのには限界がある。2010年頃の他社エンジンの圧縮比は10程度。マツダが14を狙うと発表すると、自動車業界に衝撃が走った。

 ブレイクスルーのカギを握ったのが、吸気弁と排気弁を同時に開けるオーバーラップの拡大や排気系の構造刷新、クールドEGR(排ガス再循環)など。スカイアクティブにつながる多くのアイデアは、1980年代に考えたものだった。

 例えば排気弁の開閉時間を変えてみると、トルクが大きくなるときはノッキング性能が良くなる。いいじゃないかと思って調べると、圧力差の関係で燃焼した後の高温の排ガスを排気側に吸い出す効果があった。

 吸排気弁をともに開くオーバーラップを長くすると、トルク変動が大きくなる。原理を突き詰めてみると、(4本の流路を2本にまとめた後で1本に合流する)4-2-1排気系を上手く利用してオーバーラップを大きくすれば、トルクを増やして効率を上げられた。
スカイアクティブの4-2-1排気系。


うねるような独特の形(出所:マツダ)

 クールドEGRで、排ガスを冷やして気筒に戻す試験もやりました。ノッキングしにくくなり、排ガスの温度をぐっと下げられる。2006年にスカイアクティブの開発を始めましたが、ほとんど80年代の仕事が基になっています。

他人の提案なんて、みんなやりたくない

 先行開発や研究所にいた頃は、いろいろ提案したけれど、実際に車両を設計する商品開発の人たちに、使ってもらえません。結局、他人の提案したものをみんなやりたくない。提案するけれど、誰も使ってくれない。ずっとそう。腐りますよ、そりゃ。クールドEGRは結局、他社が先に実用化しました。

 商品開発の人たちも同じ技術者ですから、気持ちが分からんでもないんです。何で他人のアイデアを実現するのに毎日残業して苦労せにゃいかんのだ、と思うわけです。開発途中に不具合が出ると、自分たちが駆けずり回る。何であいつの提案のために・・・・・・と。

 自動車開発で、新技術を導入するハードルは高い。安全性と信頼性をとりわけ重んじるからだ。結果的に、実績のある従来技術を使い続けることが多くなる。

 先行開発や研究というのは、本当につらいもんです。2000年の少し前にも新しい燃焼方法を提案しました。こりゃいいやと商品開発部門が珍しく言ってくれて。けれども最後にボツ。


(写真:加藤 康)

 実車で走らせる最終段階で問題が起こり、その場で解決策が分からなかった。結局、従来技術を使って商品化することになりました。こちらは何も言えないわけです。

 一緒に開発していた若い技術者がいてね。ものすごいショックを受けていた。自分が開発した技術を商品として世の中に出すというのが、技術者のモチベーションなんです。5年も6年もかけて開発したのに、あっという間にパーですから。

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俺はなにしてきたんだ

 商品開発の人たちはいいですよ。何を開発しても、絶対に商品になりますから。“プチ充実感”を味わいたかったら、商品開発です。

 先行開発部門や研究所の人は何年もかけて、あっさりボツ。もちろん、全てが無に帰すわけじゃありません。失敗の経験を生かして、次の提案につながります。でもね、5~6年分を無駄にしたと思うむなしさたるや。つらいですよ。
 

 スカイアクティブエンジン(出所:マツダ)

 先行開発部門や研究所には、見た目の成果をほとんど出せないままに何十年間を過ごす人がいっぱいいる。俺はなにしてきたんだという感じになります。長く経験して知識を得られても、自分の提案がモノになって欲しいという思いでみんなやるんです。ないとなると、寂しいもんです。

 それでも、考え方や知見を提供することで、会社に役立っているんです。それを立派な成果と思って、仕事するしかないじゃないですか。そう思わないと、やっていられない。

 転機は「外圧」だった。2012年から始まる欧州のCO2排出量規制である。120g/km以下にする極めて厳しい内容で、マツダは技術開発に苦戦する。白羽の矢が立ったのが人見だ。スカイアクティブの開発が始まった2006年。人見は52歳になっていた。

 会社人生の最後にスカイアクティブを出せました。ずっとむなしく、何もないまま会社人生は終わると思っていました。

 実は先行開発時代に、軽い提案で採用してもらえた技術があって。米国の「ULEV(ultra-low emission vehicle)」規制対応のときのこと。部品1個の追加で排ガス性能を上げられると提案したんです。簡単にできることは、すぐ採用。

 結局、エンジン開発のモチベーションは厳しい規制なんですよ。めちゃくちゃ安くて簡単に規制に対応できると言えば、あっさり採用です。

運があるのかないのか

 逆に規制といった「外圧」がなければ、先行開発や研究所から提案しても、コストが少し上がったり、技術的なリスクが伴ったりすると、商品開発の人たちは苦労して採用する必要はないな、となるんです。しょうがないんですが。


(写真:加藤 康)

 スカイアクティブの開発が始まったのは、2012年に始まるとてつもなく厳しい規制に対応しなけりゃならんことがきっかけです。思いつきで到達する水準じゃありません。商品開発の人たちは、技術開発戦略をまとめる金井(誠太=現・会長)に技術を提案してはえらく怒られて、頭を抱えていました。

 そんなとき、私に相談が来ました。世界一の高圧縮比にして、オーバーラップを大きく、排ガスを掃気してと、80年代から考えていたことを伝えました。それがスカイアクティブ。今でこそ華々しく持ち上げてもらえますが、昔に考えたことばかりです。

 私に運があるのかないのか。運のあるなしは、自分の見方次第ですから。自分より不幸な人を見てマシだと思うのか、自分より幸せな人を見て、俺は何と不幸だと思うのか。私は真ん中くらいかな。最後にモノにできて、最悪ではなくなった。会社人生の大半を最悪だと思ってましたけど。


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2018/03/08
インタビュー
「すごい技術もたった一つの課題で終わり」 マツダの天才エンジン技術者、大逆転の軌跡(後編)
 

人見 光夫氏(マツダ常務執行役員・シニア技術開発フェロー)
清水 直茂=日経 xTECH/日経Automotive
日経 xTECH

この記事は日経 xTECH有料会員限定ですが、2018年3月11日5時まではどなたでもご覧いただけます。

 会社人生の大半をやりきれない思いを抱いて過ごした人見光夫(前編「ずっとむなしい、なにもなく終わる・・・」)。定年間近の土壇場で、世界最高のエンジン技術「スカイアクティブ(SKYACTIV)」を生み出した(関連記事1、2、3、4)。

 人見が画期的なのは、スカイアクティブの成功にとどまらない。設計手法を刷新したことも大きい。試作と実験に頼るかつての設計手法を見直し、解析を重んじる形にガラリと変えた。日本の自動車メーカーで、マツダほど徹底する会社はない。開発効率を高めて、“小兵”のマツダが超大手と戦う土俵を整える。

 マツダには、金がないんです。でも貧乏だからこそできることが絶対にあるんです。


ひとみ・みつお。1954年生まれ。岡山県出身。1979年東大院修了後、東洋工業(現マツダ)に入社。一貫してエンジン開発に携わり、2000年パワートレイン先行開発部長。2011年執行役員、2014年常務執行役員。2017年から現職。(写真:加藤 康)

 モノを解析して机上で検討するモデルベース開発自体は、他社もやっています。ただマツダは早いと思いますよ。結構、定着してきました。エンジン試作機をなるべく造らずに、解析モデルで考えるわけです。金がないマツダだからこそ、試作機に頼らず、工夫しようと。

 現場には新しい技術を提案するとき、モノとシステムに加えて、解析モデルをセットで提出するように言っています。セットじゃないと、技術を完成したことになりません。

 今のエンジン開発は、試作機を造るのにものすごく金がかかるんです。昔のエンジンなんて、大きいエンジンと小さいエンジンで、吸排気弁の開閉時期や噴射時期などほとんど同じ。今は複雑で、エンジンが変わると全く違います。全種類の試作機を造るなんて、とうてい無理ですよ。


「CX-5」(出所:マツダ)

 モデルベース開発にすると、品質も良くなります。解析モデルは、現象を定式化してメカニズムを理解しなければ作れません。メカニズムが分かっていれば、品質問題は起きにくいのです。

今さらモデル開発なんて

 マツダ社内でモデルベース開発に否定的な人は見ませんが、拒否反応はありますね。今までやったことがないベテランは、今さらモデル開発なんてできるわけないじゃないかと。

 でもね、全員が解析モデルを作る必要はないのです。エンジンのメカニズムと理屈が分かっていれば、モデルを作るのが得意な技術者に伝えるだけですから。メカニズムを知らないと、モデルなんて作りようがないわけです。

 みんなが楽になるためのモデルベース開発。創造的なところに時間をかけましょうよ、ということなんです。

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00134/030600025/?P=2

 最近、日本の自動車メーカーが集まり、エンジンの解析モデルを作る取り組みが始まっている。2014年にアイス(AICE:自動車用内燃機関技術研究組合)を設立した。マツダも参加する。

 メーカーによって、理解の度合いがまるで違います。ぐずぐず考える前に金を使って試作機を早く造ることを自慢する会社は、モデルベース開発への理解が遅いですね。

 逆に、試作機を造りたいけど、金がないからどうしようもない。ないなら、減らすしかないんだと考えるメーカーは理解が早い。

 今後は、深層学習(ディープラーニング)といった新しいアルゴリズムに期待しています。エンジンの制御変数がものすごく増えました。解析モデルを作っても、最初に変数を決めるところにはロジックが何にもない。

 結局、やみくもな計算になりがち。過去のデータを学習させるディープラーニングみたいな技術を応用できれば、最初の方向性を決めやすいんじゃないかと。


 (写真:加藤 康)

 人見が最後の仕事と踏ん張るのが、次世代エンジン「スカイアクティブX」の開発だ(関連記事)。超希薄燃焼(スーパーリーンバーン)を実現し、燃費性能を格段に高める。一方で、研究と開発の組織体制の見直しに力を注ぐ。新技術を提案しては商品開発部門にボツにされ続け、会社人生の大半でふてくされていた人見。苦悩したからこそ、二つの組織の距離を見直せる。

 すごい技術提案があっても、何か一つ大きな課題を抱えていると、結局モノになりません。開発の最終段階で見つかると、もう無理なんですよ。

ぱっと思いついたアイデアで研究しません

 最後に抜かりなくするために、商品開発と技術研究所の間で、技術者の交流をもっとやろうと思っています。

 研究所の技術者が商品開発に行けば、研究に役立つ経験が必ずあります。商品にするのに必要なことを知って、研究成果を商品開発に提案できたほうが絶対にいい。


スカイアクティブXの試作機

 最近、商品開発と先行開発、研究所の間で、濃密に話す機会を設けています。商品開発の進捗を確認する場に、先行開発と研究所の技術者に入ってもらう。

 商品開発の方向が分かると、先行開発と研究所が新しい要素技術を提案しやすくなる。研究していたテーマを違う形で提案すると採用できるんじゃないか、とか。

 今のところ量産開発を担当した技術者が研究所に移ることをあまりしていないので、今後はやりたいんです。

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00134/030600025/?P=3

 人見にとって、先行開発部門や研究所にいる技術者のモチベーションを高めることの優先順位は高い。忸怩(じくじ)たる思いを抱えていた自らの経験が背景にあるのだろう。ブレイクスルーのきっかけは、目前の開発に追われる商品開発部門だけでは難しいとも考えている。先行開発部門や研究所の提案採用率を上げる策の一つが、開発ロードマップの作成だ。

 技術研究所のテーマは、ロードマップに沿う形にしました。究極のエンジンの姿を考えて、到達する道筋をどう実現するのか最初に示すんです。ぱっと思いついたアイデアで研究しません。ロードマップに沿うテーマを考えれば、採用される可能性が上がるでしょ。

 外す可能性が低くなれば、技術者は長期的なテーマに手を付けやすい。今の技術研究所は、本当に基礎的な技術を手掛けています。

 ロードマップは公表しており、最初が高圧縮比化。第2弾が、(2019年に量産予定の)圧縮着火による希薄燃焼エンジン「スカイアクティブX」。第3弾が断熱エンジンです。


エンジン開発のロードマップ(出所:マツダ)

ごまかしたような技術がいっぱいある

 次の次の世代である断熱エンジンは、技術研究所の担当です。断熱材料を探索し、工法を考えるところから研究しています。断熱の手段はいろいろあります。スカイアクティブXで実現する圧縮着火技術についても、現在開発している手法がゴールではない。もっと良くする手段があるはずです。

 スカイアクティブ第1弾を量産したときには、先行開発部門が第2弾の開発を始めていました。第2弾の開発は、先行開発から商品開発に移っています。先行開発部門は商品開発を支援しながら、第3弾の技術を研究所と一緒になって構想しています。

 スカイアクティブの成功後、人見は常務執行役員に昇進する。マツダでは、技術開発の方向性を立案する立場になった。

 技術の方向性を決めたり、開発の考え方をみんなに伝えるということは、まあ大事な仕事なんだろうなと思っています。

 方向性を決めるときは、すごく格好良く言うと、社会に貢献することを第一に考えます。本当に社会に貢献するものであればマツダの役に立つし、自分達の満足感を得られる。それを世界一と胸を張って言える技術で達成する。

 世界一の定義は、自分で決めればいい。ただ公言して恥ずかしくないものにしないと。「世界一複雑です」「世界一高価です」というのでは、自慢できないですから。


 
(写真:加藤 康)

 社会に役立つ目標設定さえしておけば、開発中に失敗してもすぐに別の手段に切り換えられます。手段を選ぶ作業をしているだけで、目標を変えるわけじゃないですから。

 大事なのは、絶対にごまかさないこと。世の中にはごまかしたような技術がいっぱいありますからね。ごまかした目標を難しい手段で達成してもつまらないでしょ。

(敬称略)


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