マツダのリピート率が低い
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12%の意味:マツダ車オーナー100人の中で 次もマツダ車に乗りたい人は12人。88人は他所のメーカーの車に移る。逆に他メーカーからマツダに88人が移ってくれば数字上は変わらない。
(A)留まる12人を見るか(B)他所から移ってくる88人を見るか
2%にフォーカスした戦略で(A)が改善される目論見が破綻している。理由は簡単に分かる。
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興味深いコラム記事はデータを駆使して力作に見えたが論旨が明快なだけに欠陥も明快になっている。
ユーザービジネス、カスタマービジネスでリピート率は最も重視する指標であることは疑問がない。
このリピート率は結果指標であることも常識だろう。従って、リピート率と相関する管理指標をどのように設定しているかが見えなければ論理展開として不十分なことになる。
恐らくマツダの内部情報でジャーナリストに簡単に開示されないのだろう。
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見た目の評価はNO.1と高いがこれは指を咥えて見ている時の評価。乗ってしまえば見た目評価の位置づけは下がる。道具としての実力の方がはるかに重要と誰でも分かる。カウンタックに毎日乗りたいと思う奴は例外的な変わり者しかいない。
最初の2%戦略はユーザーはこの変わり者で十分としたものだ。だからリピート率が低いのは課題ではなく狙った通りの結果を得ているに過ぎない。
デザイン性で取り込んだ新しい顧客はデザインを理由に退場する。
インテージのユーザー調査は新車購入者に対して実施しているが、マツダマーケティングの稚拙さを表している。買い替え時期のユーザー調査をしなければ本当に大事な要素は何かなど何も分からない。 マツダに飛びついた理由は分かっても離れる理由は分からない。
マツダはリピート率を確保するためには何が必要かをユーザーに聞いていない。課題を云々する以前の状態だ。
カスタマービジネスをやる戦略は不明確で体制も不十分に見える。
最も分かり易いサンプルを提示するなら、顧客に1年でも長く乗り続けてもらう には無いをすべきかが、企画・開発・製造・販売・サービス等の各プロセスで連携されていないし明確にされていない。
マツダの商品戦略の現状を見る限り、リピート率を下げる施策しか見えて来ない。もし、経営陣がリピート率が低いのが問題と発言したら、その原因は経営陣にあると言ってやりなさい。ニューカマービジネスとカスタマービジネスの違いも分からないなら退場すべきと。
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マツダ車のリピート率が低い理由(考察途中)
(順不同)
- メンテナンスサービスパッケージ「メンテデパック?」
- これはハードウエア周りの摩耗・消耗・劣化などに対する点検調整交換などを行うもので、ソフトウエアは含まない。要するにオールインワンパッケージになっていない。
- 長く使うとソフトウエアバージョンのギャップは広がる一方。長く乗り難い車と言うことになる。
- ソフトウエアも多分都度購入すれば最新版を維持できるがその作業は自分でやるのかな。面倒。
- アンケート
- アンケートは新車購入時は来るがその後は”ほったらかし”。ニューカマーには関心があるがカスタマーには関心がない。カスタマーを大切にしていないメーカーに見える。
- アップトゥデートオプション
- 最新状態にするためのオプション商品は積極的にリリースしていないようだ。少なくとも案内は何もない。
- ロングユースマネジメント
- アメリカでは長く愛用される車がデータで共有されていて、一つの名誉ある価値指標になっている。長く乗り続けてもらうための管理プログラムをマツダがもっているかどうか。
- カスタマーに定期的に案内されるべきだろうが、あまり見ることはない。むしろ、セールスは買い替えを促す役割を持ってしまう。
- セールスとカスタマーサービスが明確に分離されていない。一方で、サービスは技術サービスの側面が強く、カスタマーサービスの方は担当営業軽油になる。
- アメリカでは長く乗った人には感謝状が届く例も。
- ローテーション
- メーカーに限らないが、サービス業で担当が変わる場合は、顧客に案内を入れ、後任を紹介するのが普通。
- 個人的に親しい場合を除けば、組織だって人事ローテーションに伴う引継ぎ挨拶は行われていない。
- ネーミング
- ネーミングに対する考え方は様々 だが、所謂モデル愛唱名を止めて記号+ナンバーに切り替えた。個別認識が難しくなり愛着もわきにくい。買い替えを考える時も、次はこの車種にしたいと言う動機づけが上手く行かない。
- マツダ社内でも議論はあっただろうが、ブランドがマツダは残るがナンバー部ブランドは埋没する傾向にある。関心が逆に弱まる。
- カルテ
- 車はいつものディーラー利用と限らない。旅先のどのマツダでも同等のサービスを受けられるようにしているか。
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「次もマツダ車を買いたい」が12%と低いワケとは?
時系列分析に見たマツダのブランド戦略の課題
*なぜか記事のタイトルが途中で変更されている
マツダ「2%戦略」大成功でもたった1つ残る課題
時系列分析に見たマツダのブランド戦略の課題
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一時的に転記していますが閲覧は”東洋経済オンラインオリジナルサイト”にてお願いします。
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++ここから++
https://toyokeizai.net/articles/-/625252
マツダ「2%戦略」大成功でもたった1つ残る課題 時系列分析に見たマツダのブランド戦略の課題
三浦 太郎 : インテージ シニア・リサーチャー
2022/10/17 16:00
製品が発売されてから寿命を迎えるまでを「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つのステージに分類した、「プロダクト・ライフサイクル」というフレームワークがある。
これにのっとって考えれば、日本国内の自動車産業はすでに「成熟期」であり、もしかしたら、「衰退期」に入っているとも言えるかもしれない。
東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら
市場が成熟し、停滞・縮小し始めると、ときに市場でのポジショニングを変える必要がある。そこで考えるのが“ブランドイメージの変革”である。ただし、ブランドイメージを変えることは簡単ではない。
まず「どの方向にイメージを変えるか」が難しいし、仮にイメージが定まったとしても、それに見合うプロダクトやサービスを「具現化できるか」も問題となる。また、新たなブランドイメージが「市場に受け入れられるのか」も考えなければならない。
これをうまくやってのけたのが、マツダだ。
「2%戦略」で共感性のある車を
マツダといえば2012年登場の「CX-5」を筆頭とする新世代商品群の登場、魂動デザイン、販売店の刷新でイメージを大きく変えたことは、よく知られているところ。リブランディングの好事例として、ビジネススクールなどでよく取り上げられている。
マツダは「2%戦略」と呼ぶ戦略をとっている。これは、シェア拡大を狙うのではなく、既存のファンに強く共感してもらえる「ブランド作り・車作り」を徹底的に行おうというものだ。「2%戦略」の由来は、当時のマツダの世界シェアが2%程度であったことにある。
実際にマツダのリブランディングは、自動車ユーザーから収集したデータにも表れている。ここからは、データからその事実を深掘りしていこう。データは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」を使用する。加えてインテージの自主調査データも活用し、別の角度からも分析を進める。
<分析対象数(Car-kit®)>
マツダ:11,731名
トヨタ:85,459名
日産:29,402名
ホンダ:48,988名
スバル:9,639名
※いずれも分析対象は2014年1月~2021年12月に新車購入者
はじめにマツダ購入者の「購入年ごとのSUV率」を見てみよう。全マツダ購入者の中で、SUVを買った人の比率だ。
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https://toyokeizai.net/articles/-/625252?page=2
2014年時点では2割にも満たなかったSUV率は、2021年には約55%となっている。着実にSUV比率が上がっており、売れ筋の車種が大きく変わっていることが読み取れる。
マツダは2012年にCX-5を発売したあと、2015年に「CX-3」、2017年に「CX-8」、2代目「CX-5」、2019年に「CX-30」、2020年に「MX-30」と、毎年のようにSUVを投入しており、「マツダといえばSUV」のイメージを確固たるものにしている。
続いて「購入価格」の推移を見てみよう。2014年~2021年の購入価格の平均値を出してみた。購入価格の絶対値はラインナップの影響が出るので、軽自動車や小型車が多いメーカーでは低くなり、ミドルサイズ以上の車種が多いメーカーでは高くなる。そのため絶対値ではなく“上昇率”に注目したい。
マツダは2014年の平均が255万円であったのに対し、2021年には323万円まで上がっている。自動車の価格は、最新の安全装備や運転支援機能などの充実により年々上昇傾向である。そんな中で、2014年から2021年の上昇率を見てみるとマツダは1.27倍で、他メーカーより大きな伸びを示す。
どのセグメント(ボディタイプ)の車種を多く売っているかは、販売単価に大きく影響を及ぼす。デザイン性や高級志向の観点で他のセグメントよりも高価格帯であるSUVに集中する戦略は、功を奏していると言えるだろう。
狙ったイメージを着実に獲得
次に、購入したメーカーおよび車種への「イメージ」の時系列変化を見ていこう。まずはメーカーの観点で見ていく。購入年ごとにイメージを聞き、購入者がマツダというメーカーに対してどのようなイメージを抱いているかをまとめた。
すると、「センスのよい」と「洗練された」が大きく伸ばしているという結果が出た。「センスのよい」は、2014年から見ると20ポイント程度、「洗練された」は2倍程度にまで増加している。
今度はメーカーではなく、マツダの車に対するイメージの変化を見てみよう。結果は、「都会的」「高級」「おしゃれ」などがスコアを伸ばすものとなった。メーカーとしてのマツダ、およびマツダの車へのこうしたイメージ変化の大きな理由は、やはり「魂動デザイン」であろう。
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https://toyokeizai.net/articles/-/625252?page=3
エクステリアだけでなく、ボディの塗装からインテリアの質感まで、マツダの強いこだわりがユーザーに評価されている。デザインについての国際的な評価の高さは周知の通りであり、実際に多くの賞を受賞している。
一方、「スポーティ」「環境にやさしい」「経済的」のイメージは低下している。「スポーティ」はSUVをラインナップの中心に据えたことで、「ロードスター」や「RX-8」が築き上げたキャラクターが弱まったからだろう。
「環境への配慮」は、他メーカー各社と比較すると電動化モデルの数で見劣りする点や、クリーンディーゼルに対する市場の評価が、マツダの狙いと必ずしも合致していないことがうかがえる。「経済的」がポイントを落とす理由は、前述の1台当たりの平均売価にも表れている通り価格帯の上昇が理由であろう。
内外装は高評価でも課題あり
他メーカーと比較した際に、マツダのエクステリアやインテリアはどのように評価されているのか。各社のオーナーによる評価を見てみよう。
各質問とも「とても好印象を持っている」~「とても悪印象を持っている」の7段階で回答してもらい、そのうちもっとも評価の高い「とても好印象を持っている」と、その次に評価の高い「好印象を持っている」の結果をまとめている。
マツダは、エクステリア評価では約3割が、インテリア評価では約4人に1人がトップの「とても好印象」と答えている。これは上記10メーカーの中でも、1位だ。これまで述べてきたようなマツダの特徴が、そして2015年から掲げる「CAR as ART」の哲学が、市場に届いており高評価につながっていることが表れている。
しかし、インテージの自主調査データより「メーカー再購入意向」という指標を確認すると、課題も見えてくる。
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https://toyokeizai.net/articles/-/625252?page=4
「あなたが次回車を購入するとしたら、次も同じメーカーから購入したいと思いますか?」の質問に対し、「確実に同じメーカーから購入したい」と答える人の多さを見てみると、トヨタ(30%)、レクサス(23%)、メルセデス・ベンツ(21%)が上位に並ぶ中、マツダは12%と低い。先ほどのエクステリア/インテリア評価では10メーカー中トップであったのに、再購入意向になるとほぼ最下位にまで落ち込んでしまう。
メーカーイメージのポジティブな変化や、平均購入価格の上昇は、マツダの狙いに近い結果が出ているだろう。企業イメージを変えることの重要さと価値が、見て取れる。SUVモデルの戦略的な投入や統一感のあるデザインの採用を継続的にやり続け、そしてやりきることの大切さが表れているといえるだろう。
一方で、リブランディング後のマツダ車を購入しているオーナーからの再購入意向が低いことは、悩ましい。企業イメージ変革後の次なる一手が早急に必要であろう。
新世代「ラージ商品群」でブランド強化へ
マツダは2021年10月7日、『2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表』と題し、スモール商品群である「CX-50」から、ラージ商品群の「CX-60」「CX-70」「CX-80」「CX-90」の投入を発表し、すでに国内でもCX-60が発売されている。
その発表の中では「これらのラージ商品群では各国での電動化ロードマップに対応し、さまざまな電動化パワートレインの選択肢を提供していきます」と電動化についてふれつつ、「マツダは今後もコーポレートビジョンに基づき、クルマ本来の魅力である『走る歓び』にあふれたカーライフを通じてお客さまの人生をより豊かにし、お客さまとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指してまいります」とマツダブランドのミッション・価値観・ビジョンを明確に提示している。
マツダの既存顧客は、今後も顧客であり続けるのか。ラージ商品群を通して新規顧客を獲得できるのか。 ブランド戦略と重ね合わせながら見ていきたい。
++ここまで++
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