CX-8はCX-5の不満を解消できたか?新市場を獲得できるか?
新型CX8発表を受けてCX5との比較記事が送られてきたが、なかなか良く纏まっていて分かり易くて上出来だ。是非オリジナルのサイトで全体を一読することをお奨めしたい。
CX8はCX5乗りとしても興味は尽きない。なかなかの押し出しで実際に自分で試乗できれば更に印象は深まると思う。
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サイズ/デザイン:
- 最大のポイントはCX5の弱点、コンセプトの違いだから弱点という程でもないが、カーゴスペースに余裕が出来たこと。CX5は図体の割にカーゴスペースが窮屈。CX8なら長旅に耐えるだろう。外側は曲面デザインでも良いが内側はスペースユーティリティの追及を徹底して欲しい。この辺はホンダ、トヨタの得意なところ。
- 車幅が1840はちょっと苦しい。スバルOUTBACKと同じになってしまった。車長が伸びて車幅も広がると駐車スペースは相当制約を受ける懸念。自動駐車などのサポートがあるのかもしれない。
- 視界はCX5初期モデルに近い印象(視界はあまりよくない?)。右前方のピラーが特に気になる。
- デザインは少し先祖返りしたかな。CX5初期モデルの印象に近い。全体のバランスはとてもいい。フロントグリルは再び横ライン。いつまで行ったり来たりしているのかな。いつまで経っても顔をやり直すって変だね。コモンアーキテクチャーコンセプトが泣いているかも。
- 風切り音の押さえ込みがどの程度できているかも気になる。安定感のある素晴らしいデザインだから相当の改善を期待したい。クルージング時品質へのケアが弱いと残念な結果に終わるかも知れない。
駆動系:
- エンジンのリファイン、チューニングは継続して実施されている模様。地味だけど大事なことだ。見えない進化は好感が持てる。
- トランスミッションはよく分からない。高速クルージングに相応しいチューニングになっているか重要なポイントだがサイトをチェックしても説明がないので不安。
- 先日発表された新しいエンジンが搭載されたら面白いだろうな。これは是非やって欲しい。
情報系:
- 問題のマツコネに関する説明が落ちている。いつものことだが自動車評論家って情報系に関心のない人が多いね。だから情報系の内容は殆ど参考にならない。
- 情報系、IT系は幅が広くて仕訳もできないが、業界全体の課題という側面もあって、苦労はまだまだ続きそう。そろそろマツコネフリー、マツダフリーと言った更に進化させたポリシーを導入すべきだろう。
安全制御:
- 日産のようなインパクト(宣伝上手)はないが 着実に改善しているようだ。
- この手の車は自動運転へのアプローチも大事。どの程度の準備を積み上げているか気になるところだ。
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結局、この車は中途半端な派生商品に見えるが、CX5を物足りなく思っていたユーザーには熱烈に支持されるだろう。ファミリー層でも一味違うカーライフを求めるユーザーにも多く支持されるのではないか。新しい市場(目論見?)を獲得できるかどうかは疑問が残る。
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https://carview.yahoo.co.jp/article/column/20170919-05000356-autocone/
http://autoc-one.jp/news/5000169/
自動車ニュース 2017/9/14 17:37
マツダ 新型CX-8とCX-5が激似!?どこが違うか画像で比較してみた!
左:CX-5/右:CX-8
マツダから、クロスオーバーSUVの新型CX-8が12月14日より販売開始されます。
新型CX-8は、マツダの国内向け新世代商品として初めて3列シートを採用したモデルで、同社の国内市場向けSUVラインナップの中では最上位モデルに位置付けられています。
一見すると、新型CX-8はCX-5がちょっと大きくなったように見えるのですが、具体的にどこが異なっているのか、画像で比較してみます。
フロントビュー
新型CX-8とCX-5は、「魂動(こどう)デザイン」と呼ばれるマツダのデザインテーマをもとにしたSUVということもあり、非常によく似ています。
しかしよく見ると、グリルの内側が異なり、CX-5はメッシュ状になっているのに対し、CX-8はシルバー加飾のバーが左右に入っているのが最大の相違点です。
全幅はCX-8・CX-5ともに1840mmとなります。
▼新型CX-8
▼CX-5
リアビュー
リアビューでは、CX-8はリアコンビネーションランプを包み込むようにメッキ加飾が取り付けられています。
マツダのエンブレムは、CX-8ではメッキ加飾の下に取り付けられているのに対し、CX-5では左右のテールランプを結んだラインの中央に配置されています。
さらに、リアゲート周りの形状も、少し違っています。
なお、CX-8の全高は1730mmで、1690mmのCX-5より40mm高くなっています。
また、新型CX-8は、オプションのトレーラーヒッチを付ければ、750kg以下のキャンピングトレーラーなどをトーイング(けん引)することができます。
▼新型CX-8
▼CX-5
サイドビュー
CX-8とCX-5をサイドから見ると、フロントのデザインのような違いはほとんどありませんが、後ろに行くに従って違いが見えてきます。
一番違うのは全長で、CX-5の4545mmに対し、CX-8が4900mmと、355mm長くなりました。新型CX-8はホイールベースも230mm長く、その分が3列目シートになったと考えてもよいでしょう。
また、3列目のあり/なしで、ルーフの高さも異なっているのがわかります。
▼左:CX-5/右:新型CX-8
CX-8・CX-5を画像で比較/インテリア
インパネのデザインは基本的に同じですが、CX-8の1列目中央に装着されるアームレスト付きコンソールボックスが左右に開くタイプになります(CX-5は持ち上げるタイプ)
新型CX-8は、6人乗りは2列目がキャプテンシートの2席、7人乗りは2列目がベンチシートの3席となり、2列目シートはスライド&リクライニング機構を備えています。これにより3列目シートへの乗り降りもしやしくなっています。
なお、CX-5は5人乗りとなります。
▼新型CX-8
▼CX-5
▼新型CX-8の3列目シート
画像を見比べてみても、CX-8とCX-はよく似ています。新型CX-8はCX-5の兄貴分的なモデルだということがわかっていただけましたか?
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http://president.jp/articles/-/23215
それでもマツダがディーゼルで攻める理由
新型「CX-8」にみせる絶対の自信
企業経営 2017.10.3
山田 清志
ジャーナリスト 山田 清志
PRESIDENT Online
9月14日、マツダは新型SUV「CX-8」を発表した。その動力源はディーゼルエンジンのみ。環境規制の強化などでディーゼル車に逆風が吹くなか、なぜディーゼルのみで勝負するのか。そこには自社開発のエンジンに対する絶対の自信が込められていた――。
ミニバンに変わる新たな市場の創造を
マツダは9月14日、新型SUV「CX-8」の発表会を開いた。マツダのSUVは「CX-3」「CX-5」に続く3車種目。価格は税込み319万6800円~419万400円で、同社で最上位のSUVとなる。3列シートで最大7人乗り。発売日は12月14日で、月販1200台を目指す。
マツダは新型SUV「CX-8」を発表した。
「日本での多人数乗用車はミニバンを中心に構成されてきた。しかし、お客さまがミニバンから2列あるいは3列シートのSUVに徐々にシフトする傾向が出てきている。CX-8によって、ミニバンに変わる新しい市場の創造に挑戦したい」(マツダ・小飼雅道社長)
ここで注目したいのは、この新型車には「ディーゼルエンジン」のモデルしか用意されていない点だ。ディーゼル車は、今や世界で“悪者”として扱われている。発端は2015年、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正だった。世界中で販売していた約1100万台のディーゼル車について、窒素酸化物(NOx)の排出量を不正に操作していたことが発覚。その後、排ガス不正疑惑は、ほかのメーカーのディーゼル車にも飛び火した。
「クリーンディーゼル」への信頼が揺らいだ結果、加速したのが電気自動車(EV)へのシフトだ。今年の夏には、英国とフランスが2040年をメドにエンジン車の販売を禁止する方針を発表。中国も同様の検討に入っていると報じられている。また、スウェーデンのボルボは7月初めに19年以降発売する全モデルにモーターを搭載すると発表し、「エンジンだけで走る車の終焉」をアピールしている。
そんななか、マツダはなぜディーゼルエンジンだけのCX-8を発売するのか。そこには自社開発のディーゼルエンジンに対する絶対の自信がみえる。
マツダはこの8月、技術開発の長期ビジョンを発表した。そこで打ち出したのは「Well to Wheel」という考え方だ。これは油田(=Well)から原油を採掘、精製し、軽油やガソリンとしてクルマの燃料(=Wheel)として使うまでの全プロセスで、「二酸化炭素(CO2)の排出量」をとらえるものだ。
たとえばEVであれば、クルマからはCO2を出さないが、モーターを動かす電気の発電ではCO2を排出する可能性がある。もし石炭火力発電所で発電した電気を使うのであれば、EVの利用が増えることで、CO2が増加する可能性はある。
エンジンをつかえばCO2は出てしまうが、ガソリン車にくらべて、ディーゼル車はCO2の排出量が少ない。おまけに、ディーゼル車は、今のところEVや燃料電池車(FCV)よりも製造コストが安い。新興国などでは、まだ電力供給が不十分な地域も多く、EVの普及は現実的ではない。そこで利用されるクルマは、CO2を考えれば、ガソリン車よりディーゼル車のほうがいいだろう。
「2035年時点では、ハイブリッド車も含めてクルマの約85%に内燃機関が使われているという予測がある。新興国などインフラ整備が遅れている地域では、引き続きディーゼルなどの内燃機関の活用が必要になるだろう」(小飼社長)
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http://president.jp/articles/-/23215?page=2
生き残るために独自の技術を磨く
問題は「排ガス不正」の温床にもなった窒素酸化物(NOx)などの有害物質だ。多くの自動車メーカーはマフラーに装置を付けて有害物質を浄化している。こうした浄化装置は「後処理工程」とも呼ばれる。これに対して、マツダは、エンジンに燃料を噴射するメカニズムを改良し、後処理工程なしに排ガスを浄化する技術を開発した。装置がなければ、価格も安くできる。
マツダはディーゼルエンジンに自信があったからこそ、CX-8ではディーゼル車だけで勝負に出た。今回、次世代技術「スカイアクティブD2.2」をさらに改良。最高出力や最大トルクをパワーアップさせたうえで、燃費も向上させることに成功した。燃料満タン(72リットル)での航続距離は1137km。東京から九州まで走ることができるそうだ。
開発責任者の松岡英樹主査は、「多人数SUVでも、ディーゼルならではの立ち上がりの良い加速感や高トルクの走りができるようにしました。また、3列目の人も含めてすべての乗員がゆったり座れる快適性と、全員が普通に会話できる静粛性を実現させました」と話す。
マツダはプラグインハイブリッド車やEVも開発している。19年にはこれまでにないEVを出す予定だという。だが、価格競争力の高い自慢のディーゼルを手放す気はない。
「パワートレインは国ごと、地域ごとのニーズに応じたマルチソリューションで対応していく。クリーンディーゼルについては、今後の規制強化にも対応し、お求めやすい価格でこの技術を提供できると自信を持っている」(小飼社長)
1000万台級の大手がしのぎを削るなかで、グローバル販売台数が155万台のマツダは「ニッチメーカー」のひとつだろう。そんな企業がこれからも生き残っていくためには、独自の技術を磨いていく必要がある。大手とは違う「マツダらしい車」をどうつくっていくか。CX-8はそのひとつの答えだといえそうだ。
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(追記2017/12/**)
CX8の販売(予約)が好調とのニュースが幾つも入って来る。アウトドア志向の人にはスペースユーティリティは最大関心事の一つ。CX5の荷室スペース、後部シート居住性は率直に言えばデザインやサイズに不釣り合いなほど貧弱。CX8はその欠点をぴったり補うので買い替え組を満足させることが出来たのだろう。「CX5ロング」と命名してもいいようなものだ。車重が増えて恐らく高速クルージング性能の大幅改善も見込める。アダルトなユーザーにはむしろ好ましいSUVの形がCX8と言えそうだ。
虚動デザインに拘ればスポーツ性能に力点の残るCX5が好ましいと言えそうだが、CX8は強いて言えば魂動デザインのコンセプトから乖離させて成功(?)したと言える。このことの意味を考えることはマツダデザインの検証にとって重要。
似たようなデザイン、大きなサイズ、高い価格設定でも、一定の顧客は確保できる。利益率の高い車としてミックスを汲んでおいて悪くない。この手の車は息の長いサポートが欠かせない。
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いきなり話は変わるが、今日現在もっとも気になる車はスズキの小型SUVにラインアップされた「
スズキ クロスビー(XBEE)」になる。CX3より1回りも2回りも車格、価格、性能は下だが見るだけで魅力が伝わってくる。まだ何も分かっていないが面白そうだ。あの軽仕様「
スズキ ハスラー」に飽き足らなく思っていたユーザーに十分訴求できる。
両極端な「
Mazda CX-8 vs. Suzuki XBEE 」は面白い構図になりそうだ。
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